part①では『どこで』よりも『誰に』
part②ではHPの見方
を述べさせて頂きました。

今回は実際の来院についてです。
前述した様に、大手歯科法人、個人院、新旧開業問わず検索した上で候補を上げて下さい。
理由と致しましては
最先端機器は大手の方が揃っていることが多い。
個人院の方が比較的ベテラン（予後をしっかり見てきている）が多い。
新規開業の方が予約システム等（Web予約など）がしっかりしている。
旧開業の方が予約に融通が利きやすい
など様々な長所がお互いに違うからです。
この長所の裏返しがお互いの短所にもなるわけで、
平均的な院内歯科医師歴の長短や最新機器の多少、予約の取りやすさなどです。
ただこれも前述した様に、歴が浅くともしっかり勉強をされている方もいますし、その反対もおられます。医療は変化が激しい分野なので10年前の非常識が今の常識になることも多々あります。
最新機器は便利さは勝っていたとしても、長年使用している旧機器をきちんと使いこなすことで良好な結果を出すことは多々あります。
なので医院形態にフィルターを加えず候補を出した方がいいわけです。

では実際の来院までの流れですが
候補の医院を少なくとも2つほど多くて5つほど選出して下さい。
そしてご自身の中である程度期限を設けて無理をしない範囲で複数の医院に予約の電話をしてみて下さい。


理由①
1つの症例をとってみても、主訴に対してすべき処置は歯科医師によってそんなに変わらなくても、そこに至る原因や今後起こると想定されることに関してのアプローチが微妙に違うことがあるからです。
例えば、歯を１本抜歯しないといけないほどの状態で来院されたとして、どの歯科医師も抜歯に関しては同じような手技で行うと思いますが、抜歯した後のアプローチとして
その原因や今後の展望を考慮して矯正治療を提案し、抜いた歯の隙間を埋めると発案する歯科医師もいれば、今回はそこまでせずにインプラントを提案する歯科医師もいます。
またインプラントに関しても抜歯と同時を好む方もいれば、骨の治癒を待つのを提案する方もいるでしょう。
このように1つの症例でも患者さんの年齢や体力、性格、環境などを考慮すると、アプローチに違いが出てくることは何も間違ってはおらず、様々な理論や経験則から異なる答えが出てしまうのです。

理由②
医院によって患者さんには見えないルールが存在します。
これはどの医院にも言えることかは分かりませんが、part①で述べたようにHPを熟読して来院したとしても、全患者さんに高額医療機器を使用するとは限りません。
また医院運営上、症状によってはどうしても歴の浅い歯科医師が診てくれる場合があり、必ずと言って道具を使いこなしている方が施術するとは限りませんし、その辺りは患者さんからは分からなくなっています。
もちろん歴だけで腕の良し悪しや知識の量は測れないところもあります。
そう言った不安を払拭、かつ肌感覚にはなりますが実際に担当歯科医師と触れることで選択の余地を増やした方がいいと思います。
またその医院のルールというのは院長を含めたトップの意向に沿っている場合があるので、とある分野の特定の治療は行いたくない、などが文化として根付いている場合があります。そうなると選択の余地を狭める可能性があるので複数院に話を聞きに行くことが大事になるわけです。

理由③
②と近い理由にはなりますが、
飲食店然りアパレルショップなどに行かれた際に経験されたことがあると思いますが、接客をしてくれたスタッフがその業界に精通しているのか、業務内容に詳しいのかどうか、要は新人スタッフなのかベテランスタッフなのかをなんとなく察する場面があると思います。またそこに付随してなんとなくこのスタッフに任せたいな、と思ったことも多々あると思います。
歯科でも同じで、実際に歯科医師と話してみて、なんとなくですが、この歯科医師は詳しそう、もしくは頼れそう、単純に気が合いそうなどわかる所があります。
そう言った心理的な部分も今後通い続けるための大事な要因となります。

この様に
どの医院が良い、というのは一概に言えることではなく
セカンド、サードオピニオンを無理をしない範囲で聞きに行ってもらい、自分の中で腑に落ちる歯科医師に診てもらいましょう。
セカンドオピニオンは迷惑じゃないか？失礼かな？と思っている方がいらっしゃいますが、そんなことは全く無く、むしろ私は大歓迎だと思っております。その中できちんと納得して通ってくださることが双方にとって有益になると思っております。

以上となります。
part①②③と長くなりましたが、来院前の医院選びの何か参考になれば幸いです。
コメント欄もありますので質問等があれば是非ご活用ください。